最初に決めるのはAI製品ではありません。対象業務、必要な情報、例外、人が最終的に判断する地点を小さく定義します。最初から複数の業務を対象にすると、アクセス権、例外、責任者の話が一度に増え、試す前に止まります。
このシートで分けること
AIエージェントに準備させてもよい部分と、担当者や責任者が決めるべき部分を、最初の試行の前に一枚で整理します。
1. 仕事が始まる場面を一文で書く
「情報収集を効率化したい」だけでは候補を選べません。どの時点で誰が困るのかを、仕事が始まる場面として書きます。
- 毎週の会議前に、複数の担当者から進捗を集め直す時
- 未回答の依頼を確認し、次の担当者へ渡す時
- 引き継ぎの前に、決まったことと未決のことを整理する時
開始の場面が一文で書けない仕事は、最初の候補にしません。
2. 完了した時に何が残るかを決める
「楽になったか」ではなく、目で確認できる出力を書きます。出力が決まると、AIに任せる準備作業と、人が判断する作業を分けやすくなります。
- 会議前の確認事項一覧
- 未回答の依頼と担当者の一覧
- 引き継ぎ用の要点と未決事項
3. AIに任せるのは「準備」までにする
最初の試行では、情報を集める、整理する、不足を見つける、確認用の下書きを作るところまでを候補にします。優先順位の変更、例外対応、外部への送信、顧客や取引先に影響する判断は、人が保持します。
4. 人に戻す条件を先に書く
例外をなくす必要はありません。例外を見つけて、誰へ渡すかを決められることが、最初の試行では重要です。
- 情報が不足している
- 既存の記録と内容が一致しない
- 期限、金額、契約、権限、外部への作用が関わる
- 誰が判断するか決まっていない
5. 扱わない情報と、触れない権限を決める
必要な情報だけで始められるかを確認します。難しい場合は、仕事をさらに小さくするか、別の候補を選びます。
- 個人情報や認証情報を最初から扱わなくても確認できるか
- 既存システムの書き換えなしで、準備・照合・下書きから試せるか
- アクセス権、利用方針、本番反映の最終判断を担当者が保持できるか
6. 一週間後に何を判断するかを決める
最初の試行で見るのは、生成量や派手なデモではありません。続ける、範囲を変える、止めるために必要な材料が残ったかを確認します。
- 同じ確認がどこでくり返されていたか
- どの情報が不足して止まったか
- 人が判断すべき例外を説明できたか
- 次に続ける、範囲を変える、止めるのどれにするか
6項目の選定シート
| 仕事が始まる場面 | 例:会議前に進捗を集め直す時 |
|---|---|
| 完了時に残すもの | 例:未決事項と確認先の一覧 |
| AIが準備する範囲 | 例:情報収集、要約、不足項目の抽出 |
| 人に戻す条件 | 例:権限、期限、外部送信、内容不一致 |
| 最初は扱わない情報・権限 | 例:個人情報、認証情報、本番更新 |
| 一週間後の判断 | 継続、範囲変更、停止の条件 |